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ルビーフラクショナルとは:波長694nmのQスイッチルビーレーザーを、従来のスポット照射ではなく「フラクショナル(ドット状)」に分割照射するシミ治療技術です。この照射方法により、メラニン色素を選択的に破壊しながら、正常な皮膚組織へのダメージを最小限に抑えることが可能となるでしょう。
代表的な使用機器:イタリアQuanta System社製「Discovery PICO PLUS」または「Discovery PICO VarioPulse」が主に利用されています。この機器は複数の波長を搭載していますが、ルビーフラクショナルでは694nmのルビー波長を使用し、パルス幅は約30ナノ秒(ns)で照射を行います。
フラクショナル照射の仕組み:9mm×9mmの照射面積に66ドットのレーザーを点状に照射します。照射密度は約40%となり、残り60%の正常組織が温存されることで、創傷治癒が促進され、炎症後色素沈着(PIH)のリスク低減が期待できます。
694nm波長の特性:ルビーレーザーの694nm波長は、メラニン色素への吸収率が極めて高く、ヘモグロビン(血管)への吸収が低いという特徴があります。この選択的吸収により、血管を傷つけることなくメラニン色素のみを熱破壊することが可能です。破壊されたメラニンは、マクロファージ(貪食細胞)により処理され、リンパ管を通じて体外へ排出されると考えられます。
老人性色素斑(シミ):表皮基底層に蓄積したメラニン色素を破壊し、2〜4週間かけて徐々に薄くなります。
雀卵斑(そばかす):広範囲に点在する小さなシミに対し、面照射で効率的にアプローチできます。
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス):真皮層に存在するメラニンにも694nm波長が到達するため、IPL(光治療)やトーニングでは改善しにくかった深在性の色素病変にも効果を発揮します。
リジュビネーション効果:照射時に加わる熱エネルギーが真皮層のコラーゲン・エラスチン産生を促進し、肌のハリ・ツヤ向上も期待できます。
複数回の施術が必要:ドット状照射は1回あたりシミ全体の約40%にしかレーザーが当たらないため、理論上3回で100%(40%×3=120%)の照射となりますが、実際には同じ部分への重複照射もあるため、3〜5回の施術が必要です。施術間隔は3〜4週間を空ける必要があり、完了までに約3〜6ヶ月を要します。短期間でシミを除去したい場合は、ピコスポット照射の方が適しています。
肝斑悪化のリスク:ルビーフラクショナルは比較的高出力でメラニンを破壊するため、肝斑がある部位に照射すると悪化する可能性があります。肝斑は刺激に対してメラノサイトが活性化しやすい特性を持つため、照射によりシミが濃くなる「リバウンド現象」が起こり得ます。肝斑が疑われる場合は、事前にVISIAなどの肌画像診断器で確認し、必要に応じてトラネキサム酸内服やピコトーニングとの併用を検討します。
まれに起こり得る副作用:
対処法と回避策:施術前の画像診断による肝斑スクリーニング、適切な出力設定、施術後の徹底した紫外線対策(SPF30以上の日焼け止め使用)により、これらのリスクを最小限に抑えることが可能です。万一色素沈着が生じた場合も、ハイドロキノン外用やトラネキサム酸内服により、通常6〜9ヶ月で改善します。
施術中の痛み:「輪ゴムで弾かれる程度」と表現されることが多く、多くの方が麻酔なしでも耐えられるレベルです。従来のスポット照射と比較すると、1ドットあたりのエネルギーが分散されるため、痛みは軽減されています。ただし、痛みの感じ方には個人差があり、骨に近い部位(頬骨、額)では痛みを感じやすい傾向があります。
使用される麻酔:
術後の痛み:照射直後はヒリヒリ感や熱感を感じますが、通常数時間〜2日程度で改善します。自宅でのアイシング(保冷剤をタオルで包んで当てる)が有効です。強い痛みが3日以上続く場合は、水疱形成や過度な炎症の可能性があるため、クリニックへ連絡してください。
全顔1回あたりの相場:20,900円〜70,000円程度(税込)が一般的な価格帯です。初回限定価格として20,900円〜33,000円で提供しているクリニックも多くあります。
トータル費用の目安:3〜5回の治療が必要なため、総額で約10万円〜25万円程度を想定しておくと良いでしょう。他の施術(ピコトーニング、エレクトロポレーション等)との組み合わせプランでは、418,800円〜768,000円(6回セット)といった包括的なコースを設定しているクリニックもあります。
注意点:ルビーフラクショナルは自由診療のため保険適用外です。ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)の治療でも、ルビーフラクショナルを選択した場合は保険適用にはなりません(Qスイッチルビーレーザーのスポット照射であれば保険適用となる場合があります)。
治療目的の違い:ピコスポットは「1回でシミを取り切る」ことを目指す治療で、濃く輪郭がはっきりしたシミに適しています。一方、ルビーフラクショナルは「ダウンタイムを抑えながら段階的に改善する」治療で、広範囲の薄いシミやそばかすに適しています。
回数と期間:ピコスポットは基本1回(炎症後色素沈着が生じた場合は追加照射まで6〜9ヶ月待機)、ルビーフラクショナルは3〜5回(3〜4週間間隔)が目安です。
ダウンタイム:ピコスポットは7〜10日間のテープ保護とかさぶた形成が必須ですが、ルビーフラクショナルはテープ不要で翌日からメイク可能です。
色素沈着リスク:ピコスポットは20〜30%、ルビーフラクショナルは約5%と大きな差があります。
波長とターゲット:ピコトーニングは主に1064nm波長を使用し、低出力で顔全体に照射することで肝斑やくすみを改善します。ルビーフラクショナル(694nm)はピコトーニングよりもメラニン吸収率が高く、より直接的にシミへアプローチします。
適応の違い:肝斑にはピコトーニング、老人性色素斑・そばかす・ADMにはルビーフラクショナルが適しています。両者を併用することで、複数種類のシミが混在する場合にも対応できます。
原理の違い:IPLは複数の波長を含む広帯域光を照射し、シミ・赤み・毛穴など複合的な肌悩みに対応します。ルビーフラクショナルは694nm単一波長でメラニンのみを狙い撃ちするため、シミ治療における効果はより強力です。
効果の差:IPLで改善しなかった薄いシミやADMには、ルビーフラクショナルへのステップアップが有効です。IPL3〜5回で効果が不十分な場合、ルビーフラクショナルへ切り替えるケースが多くあります。
目的が異なる:CO2フラクショナルやピコフラクショナルは「毛穴」「ニキビ跡」「小じわ」など肌の凹凸・質感改善が目的です。メラニン除去を目的としたルビーフラクショナルとは根本的にコンセプトが異なります。シミ治療に使用しても効果は期待できません。
1. 肝斑の悪化:事前の画像診断を行わず、肝斑が潜在していた部位にルビーフラクショナルを照射してしまうケースです。肝斑はレーザー刺激によりメラノサイトが活性化し、かえって濃くなる「リバウンド現象」を起こします。特に30代後半以降の女性では、老人性色素斑と肝斑が混在していることが多く、VISIAなどの肌画像診断器での事前評価が不可欠です。回避策として、肝斑が疑われる場合は先にトラネキサム酸内服(1,000mg/日)やピコトーニングで肝斑を安定させてからルビーフラクショナルへ移行します。
2. 炎症後色素沈着(PIH)の発生:施術後の紫外線対策が不十分だった場合や、マイクロクラストを擦って剥がしてしまった場合に発生します。夏場(5〜9月)の施術は紫外線リスクが高いため、10月〜2月の秋冬シーズンが推奨されます。また、クレンジングや洗顔時に施術部位を強く擦ることも色素沈着の原因となります。
3. 効果が実感できない:1回の施術で劇的な変化を期待してしまい「効果がない」と判断するケースです。ルビーフラクショナルは1回あたり照射面積の約40%にしかレーザーが当たらないため、3〜5回の継続治療が前提となります。また、従来のスポット照射のようなダウンタイム(かさぶた形成)が少ないため、「本当に照射されたのか」と不安に感じる方もいますが、これはフラクショナル照射の特性であり、効果は複数回の施術後に実感できます。
4. 輪郭がはっきりした濃いシミが残る:ルビーフラクショナルは薄いシミや広範囲のそばかすには有効ですが、境界明瞭で厚みのある老人性色素斑には効果が弱い場合があります。このようなシミにはピコスポットやQスイッチルビースポット照射を併用する必要があります。シミの種類と深さを診断し、適切な治療法を選択することが重要です。
1. 専門医資格の確認:日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、または日本形成外科学会認定形成外科専門医の資格を持つ医師が在籍しているかを確認します。レーザー治療はシミの種類(老人性色素斑、肝斑、ADM、脂漏性角化症など)を正確に診断し、それぞれに適した治療法を選択する能力が求められます。皮膚疾患の鑑別診断は専門医でなければ難しい場合があります。
2. 肌画像診断器の導入:VISIA、re-Beautyなどの肌画像診断器を使用して、表皮・真皮のメラニン分布、肝斑の有無、潜在シミの状態を客観的に評価できる体制があるかを確認します。目視のみの診断では肝斑の見落としや誤診リスクが高まります。施術前後に画像診断を行い、経時的な変化を記録・評価しているクリニックは信頼性が高いといえます。
3. 使用機器の確認:Discovery PICO PLUS、Discovery PICO VarioPulseなど、ルビーフラクショナル照射に対応した機器を導入しているかを確認します。機器によってドット面積(30%〜40%)が異なり、治療効果やダウンタイムに影響します。40%照射密度の機器は効果と安全性のバランスが良いとされています。
4. カウンセリングの質:施術前に十分な時間をかけてシミの種類、期待できる効果、リスク、費用、必要回数を説明してくれるかを確認します。「すべてのシミが1回で消えます」「肝斑にも効きます」といった過度な効果を謳うクリニックは避けるべきです。ルビーフラクショナルの限界(複数回必要、濃いシミには不向きなど)も正直に説明してくれる医師を選びましょう。
5. アフターフォロー体制:施術後の経過観察、万一の副作用(色素沈着、水疱形成など)への対応体制があるかを確認します。術後のスキンケア指導(ハイドロキノン外用、トラネキサム酸内服の処方など)が充実しているクリニックでは、治療効果の最大化と副作用リスクの軽減が期待できます。
6. 症例写真の確認:ホームページや院内資料で、ルビーフラクショナルの症例写真(施術前後の比較)を確認します。症例数が多いクリニックは経験値が高く、様々な肌タイプやシミの種類に対応できる可能性が高いです。
Q. ルビーフラクショナルは何回で効果が出ますか?
A. 1回の施術でもシミが薄くなる実感を得られる方もいますが、十分な効果を得るためには3〜5回の施術が推奨されています。ドット状照射では1回あたり照射面積の約40%にしかレーザーが当たらないため、理論上3回で全体をカバーできますが、実際には重複照射もあるため、4〜5回程度でしっかりとした効果を実感できることが多いです。施術間隔は3〜4週間を空け、合計約3〜6ヶ月で治療完了となるケースが一般的です。
Q. ピコスポットとルビーフラクショナル、どちらを選べばよいですか?
A. ダウンタイムが取れない方、色素沈着を絶対に避けたい方、広範囲の薄いシミやそばかすを改善したい方にはルビーフラクショナルが適しています。一方、1回でシミを確実に除去したい方、境界がはっきりした濃いシミを取りたい方にはピコスポット照射が向いています。両者を組み合わせて、濃いシミにはピコスポット、薄いシミや全体のくすみにはルビーフラクショナルと使い分けることも可能です。医師と相談の上、ご自身のライフスタイルとシミの状態に合った治療法を選択してください。
Q. ルビーフラクショナルで肝斑は治りますか?
A. ルビーフラクショナルは肝斑治療に積極的に使用される治療ではなく、むしろ悪化させるリスクがあるため注意が必要です。肝斑はホルモンバランスや刺激によりメラノサイトが活性化しやすく、高出力のレーザー照射で「リバウンド現象」を起こす可能性があります。肝斑がある場合は、先にトラネキサム酸内服(1日750〜1500mg)やピコトーニングで安定させ、その後に医師の慎重な判断のもとでルビーフラクショナルを行うことがあります。老人性色素斑と肝斑が混在している30代後半以降の方は、必ず事前に画像診断を受けてください。
美容医療相談室に届いたルビーフラクショナルの美容医療&美容整形の口コミ・体験談です。
※当相談室でご紹介しているクリニックの口コミではございません。クリニック・医師によりスキルは異なりますので、慎重にお選びください。
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