男性で胸が大きくなる女性化乳房とは?原因・見分け方・治し方を紹介

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男性だけど胸が膨らんできた?それは女性化乳房が考えられる!

顔に手を当てて驚いている男性 男性であっても、まるで女性のように乳房が丸く膨らんでしまうことがあります。 これは「女性化乳房」というもので、単純に脂肪が蓄積されたことによるものから、薬の副作用、病気によって乳腺が発達してしまったことなど様々な理由が考えられます。 そこで今回は、女性化乳房について、原因・見分け方・治し方などを詳しく紹介していきます。

女性化乳房とは?

胸を押さえている男性 女性化乳房とは、その名の通り男性のバストが女性のように膨らんでしまう症状のことを言います。

女性化乳房の特徴

女性化乳房は思春期と60代以上の男性に起こりやすいという特徴があります。 特に、思春期の女性化乳房は片側に発症することが多い傾向で、数ヶ月ほどで腫れが引いていくと言われています。 肥満男性の場合は、脂肪の蓄積によるものが多いでしょう。

女性化乳房の種類:真性女性化乳房

男性の乳腺が発達することでバストが大きくなった場合、真性女性化乳房と呼ばれます。 このようになる原因は様々ありますが、代表的なのは、女性ホルモンの分泌増加医薬品の副作用が考えられます。 女性ホルモンは肝臓で分解されますが、お酒の飲みすぎや病気などで肝機能が低下すると女性ホルモンを分解しきれずに体内に蓄積してしまいます。 すると身体がホルモンに反応し、次第に乳腺を大きく発達させてしまいます。 特に、思春期や更年期は男性もホルモンバランスが乱れやすいので、バストが大きくなってしまう可能性が高いでしょう。 また、降圧剤や育毛剤などには女性ホルモンと似た働きを持つものもあるため、頻繁に使用していると影響を受けることがあると考えられます。

女性化乳房の種類:偽性女性化乳房

真性女性化乳房の他に、偽性女性化乳房という種類もあります。これはバスト部分に皮下脂肪が蓄積することで胸が大きくなってしまう状態で、簡単に言えば太ったことが原因です。 生まれつき胸の皮下脂肪が付きやすい体質の人もいますが、ほとんどは食べ過ぎやお酒の飲みすぎなどでカロリー摂取が多すぎることが影響しているでしょう。 この女性化乳房は真性女性化乳房になる可能性があるため注意しなければなりません。

女性化乳房の症状・状態

チェックリスト

胸の膨らみ

女性化乳房には真性女性化乳房と偽性女性化乳房という2つが存在していますが、共通している症状として、「胸の膨らみ」が見られます。 膨らみの程度や膨らみ方は真性・偽性によって異なるというわけではなく、個人差によって様々です。 基本的には両胸が膨らみますが、片胸だけが膨らむことも珍しくないようです。 また、乳輪部分だけ膨らむこともあれば、胸全体が膨らむこともあります。 このような状態になってしまう原因は、主に乳腺が異常に発達してしまうことと脂肪が蓄積することの2種類があります。

しこり

乳腺が発達することで起こる真性女性化乳房の場合、膨らんでいる部分が硬くなることがあります。 乳腺は通常、は通常皮下脂肪に包まれている形ですが、皮下脂肪よりも乳腺の方が硬さがあるため、しこりとして触れるようです。 偽性女性化乳房の場合、乳腺が発達していないので、しこりが触れるということはないでしょう。

痛み

女性化乳房では、胸の膨らみ・しこり以外にも「痛み」が伴ってきます。 乳頭(乳首)にシャツなどの衣服が触れたり、走って揺れたり、何もしていない状態でもチクチクとした痛みや鈍い痛みが感じられます。

その他の症状

女性化乳房は胸の膨らみ、痛み、しこり以外にも、稀に、乳輪周囲にかゆみ・赤みといった皮膚炎が伴うことがあります。 胸の膨らみのように必ずしも起こる症状ではないですが、これも女性化乳房で起こりうる一つの症状として知っておきましょう。

女性化乳房の原因

女性化乳房には様々な原因が考えられると言われています。 ここでは、主な原因について紹介していきます。

生理的変化によるもの

女性化乳房の約25%が生理的な原因によって女性化乳房が起こると言われています。 生理的変化とは、新生児期・思春期・更年期などに起こりやすいホルモンバランスの乱れのことです。 新生児期は、母体にいた頃に胎盤を通して運ばれた女性ホルモンによって一時的に乳腺が発達した場合に、女性化乳房になることがあります。 通常は数週間いないに軽快して行くため、心配はいらないでしょう。 思春期は、男性ホルモンが増加し、声変わりなどが始まりますが、その過程で女性化乳房になることがあります。 そもそも、男性の場合は男性ホルモンをもとに女性ホルモンが作られるというメカニズムが存在しているようです。 そのため、女性ホルモンのもとになる男性ホルモンが増えるため、乳腺が発達しやすい状況になり、女性化乳房を発症することがあります。 更年期は、30代以降から徐々に男性ホルモンが減って行く傾向にあり、更年期を迎える頃にはさらにスピードが早まると言われています。 これが乳腺を発達しやすい状態を作り、女性化乳房を発症させてしまうようです。

肥満によるもの

肥満で脂肪が増えることによって、胸にも脂肪が蓄積されます。 これが偽性女性化乳房の原因に当たります。 ただし、偽性女性化乳房から真性女性化乳房を発症することがあります。 そもそも、男性ホルモンから女性ホルモンに作られる過程には、脂肪に存在するアロマターゼという酵素の働きが関係していると言われています。 脂肪細胞が発達している肥満体型の場合、酵素が活性化し女性ホルモンの合成が促進されることで、乳腺が発達しやすくなるようです。 それにより、脂肪の蓄積による偽性女性化乳房から、乳腺発達が原因の真性女性化乳房を発症してしまう可能性があるでしょう。

特発性

特発性によるものとは、原因不明で起こる女性化乳房のことです。 特発性の女性化乳房の発症率は約25%とも言われています。

疾患によるもの

発症頻度は少ないと言われていますが、疾患が原因で女性化乳房を発症する場合があると言われています。 具体的な疾患としては、 ・肝硬変 ・甲状腺機能亢進症 ・乳腺腫瘍以外の腫瘍 ・男性性腺機能の低下 などがあげられます。 その中でも、特に甲状腺機能亢進症を患った10〜40%の男性に女性化乳房が見られるようです。

薬剤によるもの

医薬品や筋肉増強剤などの副作用でも、女性化乳房を発症する可能性があります。 例えば、AGA治療薬で使用されるプロペシアや、前立腺肥大治療薬のアボルブ、筋肉増強剤のアナボリックステロイドなどです。 また、大豆由来のプロテインも、男性ホルモンの低下を招き女性化乳房になる可能性があるという報告も存在しています。

女性化乳房の診断・見分け方

女性化乳房の診断

女性化乳房は触診だけでもある程度の診断はつくと言われていますが、疾患が隠れていないかなど触診だけではわからない部分まで調べる必要が出てきます。 そのため、超音波・MRIなどの画像検査や、血液検査による肝臓・腎臓・甲状腺・性ホルモン値のチェックなどが必要です。 女性化乳房が疑われる場合には、乳腺外科・形成外科・美容外科で診察を受けてみてください。

女性化乳房と乳がんの見分け方

乳がんと聞くと女性が発症しやすい病気というイメージが強いですが、実際には男性で乳がんを発症することもあります。 男性で発症する割合は1%未満と言われ、年間で500人以上の方が発症しているようです。 多くのケースが50代以上で、思春期の男性が発症する可能性は現在のところほとんどないと考えられています。(2018年5月時点) 胸に違和感があるということだけでなく、しこりがあるからといって乳がんとは言い切ることはできず、また、痛みがあるから乳がんではないということもできません。 問診や触診から始まり、必要に応じて画像検査や血液検査を受けるようにしてください。

女性化乳房の治し方

女性化乳房は状態などにもよりますが、一時的なものが多く、経過観察を見ることが多いと言われています。 もちろん、女性化乳房などの副作用が起こりやすい薬を使用している場合には、副作用が起こりにくい薬に変えるなどによって女性化乳房が落ち着く可能性があるでしょう。 それぞれの症状・状態に応じて、適切な治療方法を選択することが重要です。

筋トレ・有酸素運動などのダイエット

乳腺が発達していないタイプの偽性女性化乳房の場合、筋トレや有酸素運動などのダイエットで女性化乳房が小さくなることが期待できます。 ただし、男性の皮下脂肪は繊維化しやすいため非常に硬く、ダイエットでは難しい場合があります。 また、胸の脂肪は大胸筋の上に乗っているため、筋トレすることで底が上がり、逆に胸の膨らみが目立ってしまうことが考えられます。

経過観察を行う

乳腺が発達した真性女性化乳房では、治療を行う前に経過観察を行うことがあります。 これは、生理的変化によるものであれば1〜2年程度、薬などの副作用によるものであれば使用する薬を変えてから数ヶ月〜数年で落ち着くと言われているためです。 ただし、治療せずに経過を見ていても自然治癒が見込めない場合やさらに大きくなる可能性が考えられる場合には治療が必要になってきます。 まずは、診察を受けて今後について相談しましょう。

乳腺切除手術

乳腺切除手術は、、傷口が目立たないような乳輪周辺や乳房の下側などを切開し、発達した乳腺を切除して真性女性化乳房を改善する方法です。 ただし、真性女性化乳房は、乳腺の発達のみの場合もあれば、乳腺を取り囲むように脂肪も発達している場合があります。 この場合には、乳腺切除だけを行うと発達した脂肪が残り、そこだけ不自然にくぼんでしまう可能性が考えられます。 不自然にならないためには、脂肪吸引が必要になってくるでしょう。 外科的手術というとハードルが高くなりますが、女性化乳房の原因の一つである乳腺を切除するため、高い改善効果が見込めます。 さらに、しっかりと乳腺が切除しきれていれば再発する可能性も低いようです。

脂肪吸引法

脂肪が発達しているだけの偽性女性化乳房は皮下脂肪の蓄積が原因のため、ダイエットをすれば小さくすることが期待できます。 ただし、男性の皮下脂肪は繊維化しやすいため非常に硬く、脂肪を落とすまでに時間が必要になることと、イメージ通りに脂肪を落とすことができない可能性があります。 そこで行われる脂肪吸引法は、脂肪の蓄積による偽性女性化乳房と、乳腺と脂肪の両方が発達した真性女性化乳房の治療として行われます。 直接脂肪細胞を取り除くため、即効性と高い効果が見込めるでしょう。 これは直接脂肪細胞を取り除く治療のため、即効性と高い効果が見込めるでしょう。

女性化乳房の治療にかかる費用の相場

真性女性化乳房の治療にかかる費用の相場

乳腺切除手術の費用は受けるクリニックによって異なります。 最安値は約40万円ほど、最高値は約80万円ほどで、相場は約60万円ほどが目安です。 バストの膨らみがどの程度大きいのか、脂肪吸引と併用するのかでも費用が大きく変わります。 特に、バストの膨らみが大きい場合は保険が適用されることもあるようです。

偽性女性化乳房の治療にかかる費用の相場

偽性女性化乳房の場合、脂肪吸引手術が選択肢になりますが、脂肪吸引にはいくつかの種類が存在します。 一般的な脂肪吸引か、ベイザーという超音波を使った脂肪吸引なのかによって費用がさらに異なります。 また、吸引する脂肪の量に応じて費用も上下しますが、相場は約40万円ほどです。 脂肪吸引は見た目的な問題を解決するための方法なので、保険は使えず、自由診療扱いとなります。

保険適用について

乳腺が発達したことによる真性女性化乳房の場合、保険適用で治療を受けることが可能な場合があります。 いくつか条件がありますが、乳腺の発達が5cm以上であると認められる場合などです。 また、保険が適応されるのは乳腺切除手術のみで、脂肪吸引手術を併用する場合は、脂肪吸引手術は自由診療となります。 保険診療での治療を望む場合には、まずは医療機関へ直接の確認と診療が必要です。

女性化乳房が疑われたら医療機関を受診しよう

男性と女性医師男性なのに、女性のように胸が膨らんでしまっているという見た目に悩んでいる方も少なくはありません。 生理的な原因でも、肥満が原因でも、他の疾患や治療が原因でも、正しい方法で治療を行えば胸を平らにすることは可能です。 まずは、専門性の高い医療機関で診察を受けるようにしましょう。

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