眼瞼黄色腫について解説|症状の内容から原因・治療法・費用相場まで

このエントリーをはてなブックマークに追加

※この記事はプロモーションを含みます

眼瞼黄色腫とは?  

目頭に蒙古ひだがない二重の大きな目 眼瞼(まぶた)にデキモノが生じるのは珍しいことではありません。 眼瞼黄色腫とは、主に上瞼の周りに黄色い平らの塊を形成します。場合によっては、心疾患や動脈硬化の前兆症状のこともあるので適切に対応する必要があります。

眼瞼黄色腫の症状にはどのようなものがあるのか  

発疹や塊を伴う皮膚症状では痛みやかゆみなどの自覚症状を伴うことが多いですが、この病気ではそのような局所的な自覚症状はありません。 しかし肉眼で観察すると外見に特有の変化が観察されます。瞼であればどこにでも発症する可能性はありますが、上瞼に生じることが多い傾向があります。 文字通り黄色みを帯びていますが、表面に凸凹は無く、平坦さを維持しながら成長してくるのが特徴です。 このデキモノの正体は血液中から皮膚にもれた脂肪細胞の生成物で、血中の脂肪が継続的にもれる状態が慢性的に生じていることを示唆する症状です。このようなことから一般的な皮膚の病気と違って、身体の内部の状態との関係が深いつながりがあるとされています。自覚症状が乏しいからと軽視しないように注意しましょう。

眼瞼黄色腫の起こる原因について  

頬にできたニキビやできものを気にしている女性 直接的な原因としては、機械的な刺激や炎症によって血液中のリポたんぱく(LDLコレステロール、いわゆる悪玉コレストロール)が血管外にあふれ出て、マクロファージ(蚕食細胞)に取り込まれることにより泡沫細胞に変化することが関係しています。泡沫細胞が沈着することで平らな塊が形成されていきます。 このように泡沫細胞が生成される点に着目すると血液中の脂肪の数値に高値を示す脂質異常症(高脂血症)の可能性があります。脂質異常症とは血液中の脂質やコレステロールが多すぎる病気のことです。患者の1/3では高脂血症、特にLDLコレステロールが増加する高脂血症Ⅱ型を伴っています。 残りの2/3では脂質異常症を伴っていません。その意味で全ての患者の発症原因が明確になっているわけではありません。

眼瞼黄色腫かもと思ったら何科を受けるべきか  

素人でも鏡を見れば症状は把握出来るので、一般的には皮膚科を受診することになります。 しかし先ほど述べたように脂質異常症などの重大な疾病が原因の場合も少なくありません。放置しておけば心筋梗塞などの重大な病気のリスクが高まるので、瞼に黄色い腫瘍が見られるときには内科も受診するべきでしょう。

眼瞼黄色腫の治療法を紹介!

クリニックの女性医師

(1)メスによる切除  

眼瞼黄色腫は自然治癒することはありません。そこで治療の基本は手術で取り除くことになります。黄色腫を紡錘形に切除して縫合する手術です。ただし瞼は余裕が少ない箇所なので再手術は困難です。そこで再発予防の観点からは、脂質異常症などの原因があるときには、しっかり原因疾患を治療することも大切です。処方された飲み薬などは継続して服用することに注意してください。

(2)レーザー治療による切除 

手術ではキズ跡が残るので、レーザー治療が選択されることもあります。炭酸ガスレーザーなどを用いて、患部にレーザー照射を行い高温で眼瞼黄色腫を蒸散させる方法です。熱で凝固させて蒸散させるので断面に出血などが生じることはなく、数分程度で治療は終了します。瞼にレーザーを照射しますが、局所麻酔後患部を確認しながら行うので、安全性も高い治療法です。

眼瞼黄色腫治療の術後経過・アフターケアについて 

手術をした場合には、しばらくは手術部位にはれが残るので、眼帯などで保護することが必要になります。レーザー治療では痛みは少なく当日には洗顔も可能になりますが、施術部位の腫れや赤みの可能性があるので2-3週間程度は刺激を避けるのが賢明です。腫れや赤みが解消するまでには数ヶ月程度必要なので、清潔に保ち刺激は避けることを心がけてください。

眼瞼黄色腫治療の費用の相場について 

眼瞼黄色腫の治療に手術で行った場合には、保険が適用されると1万数千円ほどの自己負担で済むこともあります。ただし保険の適用対象になるかどうかは患部の状態にもよります。もう一つのレーザー治療についても、保険適用外になることが多いようです。その場合には全額自己負担です。費用は患部の大きさに左右されますが、眼瞼黄色腫の直径が3cm前後の場合には3万円程度とされています。

まとめ 

目元 眼瞼黄色腫の特徴は上瞼周辺に黄色の凸凹の出ない瘤が観察できる点です。手術やレーザーで除去することが出来ますが、脂質異常症などの病気が原因の場合も少なくありません。その場合には将来的に心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まるので、原因疾患のコントロールも不可欠です。
【参照】
・日レ医誌(JJSLSM)第19巻第4号 橋本透「炭酸ガスレーザーを用いたレーザー治療」(2013)

関連記事