ケロイド体質の特徴について|症状や見分ける方法、ケロイドの防止策を紹介!
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ケロイド体質ってどんなもの?
事故で大きなケガをした場合や手術を受けた際、傷痕が残ることがありますね。それは誰にも起こることですが、この傷痕が赤く盛り上がってくる場合や進行性で盛り上がる場合は、ケロイド体質と考えられます。ケロイド体質とは、小さな傷跡でも皮膚の上に皮下組織が盛り上がった状態のケロイドの症状が出たり、ケロイドの症状がひどくなりやすい体質のことを指します。
ケロイド体質の可能性がある人の特徴
(1)親戚にケロイド体質の人いる人
ケロイド体質の親戚がいる人は、遺伝する可能性が高くなります。医学的にはケロイド体質の遺伝についてまだ明確なエビデンスはありませんが、両親のどちらかがこの体質である場合、同じ体質になる子どもがみられます。また親子を越えて親族の間でも同体質がみられますので、隔世遺伝の可能性も指摘されています。
しかしケロイド体質と思っていても、成長期に起こる一過性の場合があります。このケースでは、子どもの頃できたケロイドは治りにくいですが、成長して体力がついていくと傷を受けてもケロイドになりにくい体質になっていきます。
(2)手術痕や火傷の跡がケロイドになる人
手術痕や火傷の痕は、ほとんどの人の場合すぐに消えてしまうことはありません。ただ、傷痕はしだに修復され、当初赤みがあってもそれが引いていき、傷痕の盛り上がりも平坦になっていきます。
しかし、ケロイド体質の人の場合、手術跡ややけど跡の傷痕が赤く盛り上がっていきます。傷の部分を超えて外側に広がるケースもあり、傷痕が赤く膨れあがります。
かゆみや痛みはないのが特徴ですが、このケロイドは進行性で時間がたつほどさらに盛り上がりが大きくなります。
(3)ニキビ跡がケロイドになりやすい人
この体質の人は、思春期のニキビ跡がケロイドになることがあります。思春期のニキビは赤く腫れやすいですが、一定時間たつと変色して修復していくのが特徴です。
しかし、ケロイド体質の人は、ニキビが治まってもその痕が赤くポツポツとケロイド状に残ってしまうことがあります。このニキビ跡は治しにくく、目立つ部分だけに本人の悩みにもつながります。
また、ニキビには思春期ニキビとは違い、皮脂が肌の角栓につまって起こる大人ニキビと呼ばれるタイプのものもあります。ケロイド体質であるとこの大人ニキビも治しにくくなります。
(4)アレルギー体質の人
ケロイドの発生原因は、医学的にはまだ不明とされていますが、アレルギー反応が関与しているとされています。なのでアレルギー体質の人がケロイド体質であるという可能性も高いのです。
アレルギー反応は免疫反応の一つで、免疫反応とは、自分の体の成分と違う異物を攻撃して排除するしくみです。異物とは、ウイルスや食物、花粉などがよく知られています。この免疫反応の中で、異物に反応するとき、自分の体を傷つけてしまう場合をアレルギー反応と呼んでいます。
このようなしくみから、ケロイドは抗アレルギー薬の内服によって症状が緩和されることが知られています。たとえば手術痕などのケロイドには、花粉症アレルギーを予防する「リザベン」という抗アレルギー薬がよく処方されます。ケロイドを予防するしくみはまだ解明されていませんが、一定の効果があることで知られています。
(5)色素の量が多い人種の人
ケロイドは有色人種に発生しやすいといわれています。黒人に多く、白人には非常に少ないという特徴があります。黄色人種はその中間ですが、同一人種でも皮膚の色素量の多い人に発生しやすいといわれています。
たとえば日本でも沖縄とか九州など、南方系の血のまざっている人にできやすい傾向があります。これは肌の色素量が紫外線の吸収に関係しているのか、あるいは色素量による体質的な問題か、メカニズムは明らかになっていませんが、いずれにしても肌の色素量がケロイド発生に関与していることが知られています。
(6)30歳未満の若い人
ケロイド体質は30歳未満の若い人に多くみられるといわれます。これらの年齢層では、全身の代謝が激しく、したがってケロイド組織ができてもその増殖速度が速い傾向があります。
また発汗や皮脂の分泌も盛んなので、それによって皮膚が刺激され、炎症が起こりやすくなります。しかしケロイド体質といわれていても、中年期以降になると収まるケースもみられます。これは、全身の代謝反応や細胞分裂がゆるやかになることによって、ケロイドへ移行することが少なくなる場合があるからです。
ケロイド体質の人に現れる症状
ケロイド体質の人が手術をして傷痕ができた場合、治癒までに次のような経過をたどります。傷痕ができた場合、切れた皮膚の間に血液成分が溜まり、糊の役目をすることで一時的にくっつきます。傷の表面は 1日で、深部は3~4日で毛細管がつながり線維組織が増殖し、1週間で内部は修復されます。
しかし、1~2ヵ月ぐらいたってから、傷痕が赤く盛り上がってくることがあります。これは傷を修復する線維組織が過剰に生産されて表面に現れてきたのです。こうした傷痕を「肥厚性瘢痕」と呼び、半年から1年で自然に平らになります。
そして、この肥厚性瘢痕がいつまでも消えないで広がってゆく場合があり、これがケロイドです。ケロイドの特徴は「治癒の傾向がない」「周りにひろがる」ということです。ケロイドは傷の境目から周りの部分へしだいに赤く染みだしていきます。
ケロイドを未然に防止する方法
(1)肌のケアをしっかりする
ケロイド体質の人は、ひごろからスキンケアに気を配り、健康な肌の状態をキープしましょう。肌のかぶれや大人ニキビなどを作ると、そこからケロイドに進んでしまうことがあります。
化粧水、美容液で習慣的に保湿することが大切です。クリームなどを過剰につけると油が角栓につまり、大人ニキビができることがあるので要注意。最近は大人ニキビの予防効果がある、大人ニキビができやすい人用のスキンケアアイテムが発売されていますので、そうしたものをとり入れるのもいいでしょう。
(2)ピアスをしないようにする
ピアスの穴を開けることは、ケロイド体質の人には注意が必要です。ピアス穴を開けてしまうと、金属アレルギーによってかぶれ、そこからケロイドに進むことがあります。
また、金属のアレルギーはなくても、開けた穴の周囲が赤く盛り上がり、ケロイドが発生してしまうことがあります。耳たぶは目立つ部分なので、ケロイドに進んでしまうと人から見てもわかるなど、深刻な悩みを抱えることになってしまいます。
そもそもピアス穴を開けたのは、オシャレがしたかったから。オシャレに見えたいなら、ピアス穴を開けるのはやめておきましょう。
(3)傷が出来ないように日常生活に注意する
ケロイド体質の人は、日頃から傷が出来ないに注意しましょう。調理をしているときの軽い火傷や、虫刺されを掻いたあとなども、ケロイド体質では傷の部分がかぶれやすく、そこからケロイドが発生してしまうことがあります。
注意してほしいのは、ケロイドは遅れて発生することもあるということ。傷が治まりかけて1,2カ月たってから赤く盛り上がってくることもあります。かすり傷などでも不要に受けないことが大切です。ケロイド体質の人は注意深く日常生活を送るようにしましょう。
ケロイド体質か見極めるためには専門医に診察してもらいましょう
自分ではケロイドだと思っていても、専門的に見ると違う症状の場合があります。ケロイド体質を見きわめるには、必ず専門医の診断を受けましょう。
ケロイドと混同しやすいものには、肥厚性瘢痕や熱傷潰瘍、成熟瘢痕などがあります。傷痕だけでは素人には区別がつきにくいのです。また医療機関で診断が確定してもこれらの症状はそれぞれ治療法が異なりますので、まず専門医に診断してもらいましょう。
またケロイド体質とわかった場合でも、専門医なら薬剤による治療、レーザー治療などの手段をとってくれます。気になる傷痕がある場合は、総合病院の皮膚科や最寄りの皮膚科医院などを受診しましょう。
自分がケロイド体質なのか確認することは大切!
原因がわからず、決定的な治療法もまだ確立されていないやっかいなケロイド体質。しかし、対処するのに最も大切なのは、自分がケロイド体質であるかどうか、明確に把握することです。そのためには専門医の診断が不可欠。傷の治り方や気になる傷痕がある場合は、まず医療機関に足を運びましょう。