石井秀典医師(大塚美容形成外科)|JSAPS専門医に聴く眼瞼下垂の真髄

このエントリーをはてなブックマークに追加
1976年の開院以来、信頼の歴史と豊富な治療実績を誇る、大塚美容形成外科。 今回は総院長を務める石井先生にインタビューさせて頂いた。 責任ある役職に加えて形成外科専門医、JSAPS専門医の資格も取得している実力派の医師だ。 とくに眼瞼下垂について造詣が深い石井先生から貴重なお話を伺うことが出来た。 期待して頂きたい。

編集部
本日はお忙しい中、ありがとうございます!
編集部の菅原です。

私自身も美容医療に興味がありまして、実際に施術を受けたりもしているので読者目線で色々お話を伺えたらと思ってます。
宜しくお願いいたします。

石井先生
大塚美容形成外科の石井です。
ぜひぜひ、よろしくお願いします。

編集部
では早速で恐縮なんですが、医師を志したきっかけと現在までのご経歴について教えていただきたいです。


石井先生
まずきっかけとしては特に祖父の存在が大きいです。祖父は開業医でして、その診療を幼少期から見ていました。

それで病気で悩まれたり苦しんだりしている方を救うという仕事に憧れがあったんです。

編集部
なるほど!
幼い頃から医療が身近にあったら影響は大きいですよね。

石井先生
やっぱりそれはありますね。

で経歴なんですけども、彫刻や粘土など物を造形することも好きでしたので医学の中でも形成外科に興味がありました。
だから、まず帝京大学の形成外科に入局しました。大学では顔面外傷を診察することが多かったです。

そしてそこで形成外科の専門医資格を取得しました。そこから更に自分の専門性を絞っていくんですが、美容外科の道に進むことを決めて大塚美容形成外科に入職しました。

その後、JSAPSという日本美容外科学会の専門医資格を取得しました。これは形成外科の専門医資格を持ちその上でさらに経験を積まないと取得できません。

編集部
JSAPSの専門医は美容医療相談室でも優秀な医師の基準にしている資格の一つですね!

先ほどご自身の専門性を美容外科に決めたと仰っていましたが、美容医療の分野に進んだ決め手はなんだったのでしょうか?

石井先生
形成外科は事故や悪性腫瘍などで失われた形や機能を再建して、日常の生活の質(QOL) を高めることを目的としているんですね。

一方で、美容外科はノーマルの状態から良くすることが目的なんです。

なので今までの形成外科の知識と経験をフルに活かせるし、様々な「形」が原因で悩まれている人に自分なりのアプローチで力になれるんじゃないかなと考えました。
そうすると美容外科が自分に一番合ってるなと思って。

編集部
なるべくしてというか、環境やご自身の適性で自然に美容医療の道へ進まれたという印象ですね!

美容医療の経験と形成外科の技術が融合。得意施術は眼瞼下垂。


編集部
では続いてですが、先生が特に得意とされている施術はありますか?

石井先生
特にと言われると眼瞼下垂でしょうか。

私は美容外科の施術は骨切り以外はなんでもできるんですが、その中でも目周りの手術は回数が多いんです。

上まぶた下まぶた共に多いのですが、特に上まぶたの施術は眼瞼下垂といいまして、目を開くという機能も関係するので形成外科の知識が必要となる施術でやりがいがあります。

編集部
大学時代の形成外科の経験が活かされている施術ということでしょうか?

石井先生
そうです。眼瞼下垂は大学時代に保険診療でもやっていました。
美容医療では二重整形も多く経験していますね。
特に埋没法の施術が多くて、1万件くらいやっていると思います。

編集部
1万件ですか!すごいですね!

石井先生
はい(笑)
それだけ二重について患者さんの希望を聞いたり、カウンセリングをしていると、二重についてかなり詳しくなりました。
患者さんのなりたい二重みたいなものも分かってきて。

眼瞼下垂は目を開くだけでなくて開いた上できれいな二重を作る施術でもあるんです。

だから、埋没法の経験が今まで培ってきた形成外科の技術とちょうど融合して、眼瞼下垂は自分の得意分野だなと思っています。

編集部
眼瞼下垂だけでもなく、埋没だけでもない。
どちらにも精通してるからこそトータルとして、患者さんが理想とする形を実現できるんですね。

ちなみに埋没を希望していらっしゃった患者さんでも、よくよくお話を聞いたり診たりすると、埋没だけでなく眼瞼下垂もやった方がいいというケースもあるんですか?

石井先生
ええ、ありますね。 二重整形はその幅を決めなきゃならないので、事前にシミュレーションするんです。
でも、そのシミュレーションがそもそも難しい場合があります。

目が開かないと二重の線が入らないので、まぶたが被りすぎてて目を開けきるのが厳しいような方だとシミュレーション出来ないんです。

その場合は埋没法も難しいので、まず眼瞼下垂を治療しましょうとなります。

編集部
二重整形だけで完結しないケースもあるということなんですね。勉強になります。
石井先生の口コミは美容医療相談室にも多く届いていまして、やっぱり眼瞼下垂についての内容が多いです!

石井先生
それはありがたいです!

眼瞼下垂で二重になる!?現役医師に聞く眼瞼下垂のあれこれ。


編集部
良い機会なのでそれだけ沢山の方のまぶたの悩みに寄り添ってきた石井先生に、眼瞼下垂について詳しくお伺いしたいと思います。

まず眼瞼下垂の手術の方法というのは種類がいくつかあるんでしょうか。

石井先生
まず切開しないMT法というのがあります。通常は埋没法とセットで行います。切開しないため開く距離はある程度限られますが軽度の眼瞼下垂の人には向いてます。

石井先生
それと挙筋短縮。これは tacking 法とも呼ばれていて、いわゆる通常の切開する眼瞼下垂手術です。
挙筋腱膜を折りたたんで縫合します。通常は同時に二重のラインも形成します。

逆に二重を形成しないとまつ毛の位置は上がるんですが、その上に余った皮膚が被さるので見た目的にも視野的にも改善しません。


編集部
いわゆる眼瞼下垂と聞くと、その2つをイメージしていました。
切らない眼瞼下垂と切る眼瞼下垂ですよね。

石井先生
そうですね、でもまだありますよ!

筋膜つり上げ術は眼瞼挙筋の筋肉自体があまり使えない場合に、おでこの筋肉を利用して目を開くような施術です。

まぶたの皮膚がたるんでしまっている場合は眉毛下切開術を行うこともあります。

あとは眼科の先生がされることの多い挙筋前転術ですかね。


編集部
そんなにあるんですね!本当に勉強になります。

眼科の先生というお話が出てきたんですが、眼科でも眼瞼下垂は受けられるということでしょうか。

石井先生
眼科の先生でも眼瞼を専門にされている方もいらっしゃいますし、対応している所はありますね
ただ機能的な面を優先されて治療を行っていらっしゃると思います。

例えば先天性の眼瞼下垂なんかだと赤ちゃんのときに手術をするんですが、それは視力をきちんと保つために行う手術なんです。

編集部
保険診療と自由診療の違いということですね。
そのあたりを詳しくお聞きしても宜しいでしょうか?

石井先生
大きな違いは美的な仕上がりです。美的というのはその人にあった二重を提案しご希望にも沿うような二重を作ることと左右差の少ない二重を作ることです。

保険で行う場合は先ほども言ったように機能優先なので、手術中の調節はあまり行わず決まった手技を行うだけですが、自費で行う場合は目の開きの調節や二重の調節にも注力します。

よって、手術時間も保険では40分~1時間くらい、自費だと1時間半くらいかかります。
あとは仕上がりの自然さも自由診療ではこだわりますね。

編集部
自然さというのは、びっくり目(まぶたが開きすぎて驚いているようになった目)にならないようにといったお話でしょうか?

石井先生
いや、びっくり目は仕上がりというよりも眼瞼下垂の調節が上手くいかなかったケースです。

ここでいう自然さは眼瞼下垂でまぶたを持ち上げた結果、余った皮膚を自然な二重にするということですね。

編集部
え、眼瞼下垂をすると二重になるんですか?

石井先生
眼瞼下垂でまぶたの開きが良くなると、その皮膚は余るんですよ。だからそれを折り返して余分な部分をなくしてあげるんです。

僕個人としては眼瞼下垂をして二重にしなかったというケースは今までありませんでしたね。

ですから、大塚美容形成外科では眼瞼下垂の料金に二重整形の分も含まれています。

編集部
なるほど、眼瞼下垂と二重整形はまた別だと思っていたので驚きました。

でも全部込みにして提示して頂いているのは分かりやすいですね。

眼瞼下垂はまぶただけじゃない?石井先生のこだわりとは。


編集部
では石井先生が眼瞼下垂手術をする際のこだわりをお聞きしてもよいですか?

石井先生
こだわりはもうたくさんあるんですけども、まずその人に合った二重の形をちゃんと見るようにしています。

どういう形、幅が合うかというのは長年の経験に寄る所が大きいですね。
それを踏まえて色々提案させていただいてます。

あとは目の開きですね。

編集部
目の開き?

石井先生
眼瞼下垂はただ目が開けばいいという手術ではないんです。まぶたの筋肉だけじゃなくてその周囲の筋肉との関係も踏まえて自然な開きと自然な二重、若かった時の目元に近づけるようにこだわってます。

例えば、眉毛が上がっている人の目を開きすぎてしまうと、逆に眉毛が下がって怖い顔になっちゃうこともあります。

あとは、おでこの筋肉の使い方で眉毛の上がり方が違うんですけど、それも影響しますね。
真上に上がる人もいれば、外側に開く人もいて。

編集部
私、外側に開くタイプかも知れないです!

石井先生
筋肉のつき方からしてそれが普通なんですよ。

だからおでこを使いすぎているような人だと外側に開く力が強くて、シミュレーションしても末広型の二重にしかならないこともあります。

でも、ちょっとおでこを抑えてからだと平行になることもあるんです。

編集部
なるほど、シミュレーションにも影響が出るんですね。
しかも、おでこの使い方となると同じ人でも左右差がありますよね。

石井先生
そうです、シミュレーションだけでなく実際の施術にも影響します。

ですから左右差が大きい場合はおでこにボトックスをして筋肉があまり動かない状態にしてから、施術を行うこともあります。

編集部
奥が深いですね。
まぶたの以外の部位にもこだわって、施術に向き合っていらっしゃることが良くわかりました。

施術前後も重要!施術当日に絶対注意したほうが良いこととは?


編集部
シミュレーションといえば、治療前に手術後の仕上がりを気にされる方は多いかと思いますが、どのように擦り合わせを行なっていますか?

石井先生
若い方からある程度の年齢の方であれば術前にやはりシミュレーションで擦り合わせしています。
実際に鏡で見てもらいながら目の開き具合と二重の感じを確認することができるので。

ご高齢の方の場合は皮膚の余りが多くてシミュレーションできないこともあるので、その場合は私の経験を信じてもらって手術を行っています。

編集部
では逆に施術後について聞かせて頂きます。
とくにお仕事がある方や学生さんが気になるポイントだと思うのですが、眼瞼下垂の手術後どのくらいで自然な状態になりますか?

石井先生
もちろん個人差はありますが、メイクしている状態ならばだいたい2週間です。
メイク無しであれば3~4週間あれば大丈夫だと思います。

編集部
なるほど、2週間あればメイクでごまかせると。
ダウンタイム中に注意したほうが良いことや過ごし方のコツみたいなものってありますか?

石井先生
内出血があるかないかで変わってくるのですが、内出血がある場合は血流を良くしたほうが好ましいです。
とはいえ、手術してすぐは傷が塞がりきっていないので血が出ないように冷やしてもらった方が良いですね。

なので、あくまで基準ですが手術後最初の2日間はクーリングして貰って、内出血が残っているようであれば3日目以降は温めるようにしてください

朝起きたときにホットタオルみたいなもので温めるのを2週間程度やった方が良いと思います。

編集部
なるほど、ありがとうございます。
逆にダウンタイム中にやってはいけないことや注意したほうが良いことはありますか?

石井先生
そうですね……
大体手術後、5日から1週間程度で抜糸をするんですが、その期間は当然まだ糸が付いていますのでサウナや公共の温泉みたいなものは避けてください。洗顔はしても大丈夫です。

あとダウンタイムでは無いのですが手術日当日で注意したほうが良いことがあります。

編集部
それすごく気になります!

石井先生
普段コンタクトレンズを付けている方は、手術日当日も付けてきて頂きたいです。

手術があるからと気を遣って頂いて、メガネでいらっしゃる方が多いんですが、メガネを掛けていると二重のシミュレーションが出来ないんです。

でも外してしまうと見えないので鏡に近づきすぎて、今度は私から二重が見えないんですよ。

なるべくなら適切な距離で二重を確認したいので、目が悪い方はしっかり鏡が見えるようにコンタクトを付けてきてください。

編集部
その失敗私もしたことがあります……。

手術するから無理だなって思ってメガネで行っちゃったんですけど、やっぱりその前にシミュレーションがあって。

石井先生
あるあるです(笑)

ただ、施術後はコンタクトを付けられないのでメガネも忘れずに持ってきてください。
もし手術後のカモフラージュが必要であれば、サングラスや深めの帽子もお持ちいただけると良いですね。

編集部
今のお話があれば手術当日も大丈夫そうです。失敗する前に聞きたかった(笑)

人生を変えた眼瞼下垂。医師選びは経歴を要チェック!


編集部
続いて、実際に手術を受けられた方の反応や印象的なエピソード等あれば教えていただきたいです。

石井先生
つい最近の患者さんなんですが、急に老け込んでしまって、まぶたの上が凹んで、まぶた自体もたるんでしまったという方がいらっしゃいました。

娘さんにも「急におばあちゃんになったね」と言われて傷ついてしまい、気分が落ち込んで外出も難しくなってしまったんです。

でも、手術を受けたら本当に元気になって、外出も出来るようになったってお聞きしました。

その方に「人生が変わりました」って仰って頂けて、自分のしたことが患者さんのためになったと実感できて嬉しかったですね。

編集部
素敵なエピソードです。これから眼瞼下垂を受けたいと考えている人も勇気を貰えるようなお話ですよね。

そんな眼瞼下垂を考えている方が手術で後悔しないために、クリニックや医師選びで気をつけることなどあれば教えてください。

石井先生
医師選びで大切なポイントはカウンセリングです。話がかみ合わない医師と話してもご自身の要望は伝わらないです。
話ができてご自身の悩みやなぜ治療を受けたいのか?を理解してもらうことが大切です。

また、医師の技術的には眼瞼下垂の手術件数と二重整形の手術件数の両方が必要だと思います。

あとは眼瞼下垂自体が腱膜を縫って、目の開きを調節するという機能面も含めた手術なので、形成外科専門医の資格を持っていることは一つの目安になるのではないでしょうか。

それに加えて常勤の美容外科医として3~4年の実績を持っていることも重要だと考えています。

編集部
ありがとうございます、カウンセリングと医師の経歴をしっかりと確認することがポイントですね。

ちなみに、そもそも眼瞼下垂を受けるかどうかはどのように判断すれば良いのでしょうか?

石井先生
そうですね、見た目が気になった場合はもちろんですし、あとは目がちゃんと開かない状態だと筋肉が強張ります。

自覚症状としては肩こりが一番最初に出てくると思うので、最近肩こりが強くなってきたという方は一度ご相談して見ても良いと思います。

編集部
眼瞼下垂も肩こりの原因になることがあるんですね。

ちょっと気になっていたんですが、一度眼瞼下垂を受けた方でも、まぶたのたるみが進行してしまうことってあるのでしょうか?

石井先生
進行する方もしない方もいらっしゃいます。そこは個人差がありますね。

進行した場合、もう一度施術を受けることは可能です。
また、20年とか、施術後に長期間経過すると別の理由で皮膚にたるみができるってことは考えられます。

編集部
なるほど!よく分かりました!
丁寧に解説してくださって本当にありがとうございました。

個人的に眼瞼下垂について調べていたんですけど、実際に石井先生のお話を聞いてすごく理解が深まりました。


石井先生
そうですか、それは良かったです!

編集部
名残惜しいのですが最後の質問です、眼瞼下垂を検討している方にメッセージがあればお願いします。

石井先生
加齢性の眼瞼下垂は進行すると目を開く筋肉(眼瞼挙筋)を使わなくなります。代わりに額の筋肉を使うようになるため額にシワができます。

筋肉は使わなくなると萎縮してしまうので筋肉としての質が低下します。すると調節する幅を大きくするなど手術が難しくなるので、早めに手術を受ける方がいい結果に結び付きやすいです。

症状が出てきたなと感じた方はぜひカウンセリングにいらっしゃって頂ければと思います。

編集部
専門的な知識も噛み砕いて分かりやすく教えてくださった石井先生。

普段のカウンセリングでも丁寧に患者さんと接していらっしゃる姿が垣間見えたインタビューでした。
また確かな経験と実績に裏付けされた自信のある対応にも安心感を覚えました。

もし眼瞼下垂で少しでもお悩みの方は一度ご相談してみてはいかがでしょうか。
石井先生、本日はどうもありがとうございました!

大塚美容形成外科
大塚美容形成外科は1976年の開院以来、豊富な治療実績と信頼を誇る格式のあるクリニックです。経験を積んだ形成外科医、美容外科医が多数在籍していることが特徴の一つに挙げられ「医師の技術力でクリニックを選びたい」という方からも多く選ばれています。「最小の手術で最大の効果を」と診療理念に掲げており、安全で質の高い美容医療の提供が期待できるでしょう。
月曜~土曜:10:00~19:00
日・祝:10:00~19:00
石井秀典