乾 雅人医師(銀座アイグラッドクリニック)|ショートスレッドの達人! 実力派院長が語る「賢い施術の選び方」

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「この施術、本当に自分に必要?」――そんな風に迷ったことがある方にこそ、読んでほしい記事です。今回お話を伺ったのは、銀座アイグラッドクリニック院長の乾先生。医療コンサルとしても活躍されていた異色のキャリアに加え、美容医療を“感覚”ではなく“ロジック”で捉えるその姿勢には、思わず引き込まれます。人気施術「ショートスレッド」について、そして美容医療の選び方まで深く、ユーモアたっぷりに語っていただきました。
編集部
今日は貴重なお時間をありがとうございます。
本日のインタビューを務める松村です。
宜しくお願いします。

乾先生
乾です。
本日はよろしくお願いします。

乾先生の経歴と美容医療に対する考え方


編集部
では、早速質問に移らせていただきます!
まずは、乾先生のご経歴についてお伺いさせてください。

乾先生
2010年に東大医学部を卒業しました。

その後、東大で2年間初期研修をして、続けて3年間、胸部外科の専門研修を行いました。
大学院にも進学して、6年目からは大学院に通いながら市中病院で呼吸器外科医として勤務していました。

大学院在籍中に、医療業界の構造に課題を感じて、医療コンサルとして独立しました。
製薬会社や生命保険会社、病院などの経営支援をする中で、この銀座アイグラッドクリニックを買収したのが美容医療との関わりの始まりです。

編集部
最初から美容医療がやりたかった、というわけではなかったんですね。
乾先生
全然そんなことないです笑。僕自身は自分のことを「美容の医者」と思ったことはなくて、薬液の研究者だと思っています。
医学の本質をずっと追い続けてきた中で「美容」に応用が可能だと考えた、という流れです。

編集部
なるほど。
美容への入り方が他の先生方とはかなり違いますね。

乾先生
そうだと思います。
ここも、美容クリニックというより「営業一課」みたいな位置づけですね。
今後は国立大学やセンター病院などとの共同研究をもっと強化していく予定です。

美容クリニックとしては、かなり変わっていると思いますよ。

編集部
では、なぜ美容医療の分野に取り組まれているんでしょうか?

乾先生
単純に「美容が好きだから」ではないです。
社会にとって必要だと感じたからやってる、というのが一番近いですね。
つまり「求められたらやる」
そして、美容医療業界には、明確な社会課題があります。
だからこそ、私たちに求められていることがあるのです。

美容医療の課題と銀座アイグラッドクリニックの在り方


編集部
「美容医療の明確な社会課題」とは一体なんですか?

乾先生
「明確なガイドラインが無いこと」です。
「失われた機能を改善する」という、方向が一つしかない他の医療と違って「良いものをより良くする」という美容医療には医師それぞれの「好み」があるため、構造的にガイドラインを作れないんです。

そうなると患者さんは何を基準に施術を選んだらいいかわからないですよね。

ある意味、仕方のないことですが、それを言い訳にして患者さんだけにリスクを押し付けるのは不健全だと思います。
僕は「ガイドラインがないからこそ、ガイドラインの魂を守ろう」というスタンスです。

編集部
かなり倫理的な視点を持って診療されているんですね。

乾先生
医師だった父の背中を見てきたので……。
5歳の頃から私の中に「医療の理想」みたいなものがあって、私は医療に嘘をつけないんですよ。
だから、美容医療でも、基本的に東大病院でがん患者さんを治療するのと同じ思考回路で治療を行います。

そうなると自然に、負担が少ないものから選ぶべきという思考になりますし「可愛くなりますよ」なんて無責任に言っちゃいけないですよね。

それって証券マンが「この株儲かりますよ」って言ってるのと同じで、リスクを隠してリターンだけを強調しているんです。

編集部
なるほど、今のお話だけでも先生の治療に対する信念や熱量が伝わってきました。
医師や施術の選択に迷っている方にも有用な考え方ですよね。

乾先生
その通りです。だから治療に迷われている方は一度当院へ相談するべきだと思います。
「思考の整理を手助けできるクリニック」なので。

患者さんに主体性を持ってもらいたいと思っていて、美容医療を飲食店選びのようにしてほしいんですよ。
たとえば「今日はプロポーズだから高級レストランへ」「今日は女子会だからカジュアルなイタリアンで」みたいに。

目的とリスクを理解したうえで、主体的に選ぶのが大切です。

編集部
先生のクリニックが「思考の整理を手助けする場所」というのは非常にユニークですね。
他にもクリニックの特徴はありますか?

乾先生
それ以外だと、うちはメニューを減らす努力もしています。
考え抜くと「最終的にこれだけやってればいい」っていうものが絞れてくるんですよ。

なので、どんどんシンプルになっていく。

編集部
メニューを増やすのではなく減らすんですね!
ちょっと意外と言うか、目からウロコでした。

乾先生
ですよね笑。
普通は逆だと思います。

あとはクリニックの特徴を端的に言えば、「僕の人格」ですね。
僕が医療をどう捉えているか、それをそのまま美容医療に落とし込んでいるだけです。
施術そのものではなく「なぜこの施術をあなたに提案するのか?」というところに僕の価値観が詰まっています。

結局、うちはファンコミュニティなんですよ。
Googleマップの口コミ見てくれればわかりますが、件数うんぬんじゃなくて、書いてある内容の熱量がすごいです。
不登校の子を連れてきたり、海外から家族を呼び寄せたり、そんな方々もいるくらい。

編集部
なるほど!
クリニックがただの施術の場ではなく、患者さんと先生の「信頼関係」が強く築かれる場でもあることが伝わってきました。

人気施術ショートスレッド、「動く」秘訣に迫る


編集部
続いて施術の話に移りたいと思います。
HPも確認させていただいたのですが、人気の施術としては、やはりショートスレッドですか?

乾先生
はい、ショートスレッドがやっぱり1番人気ですね。

編集部
ではそのショートスレッドについて、他院との違いや特徴を教えてください。

乾先生
まず、ショートスレッドって本来「動かない」んですよ。
たるみ改善というよりも、「たるみの進行予防」が本質です。
肌の深部にある皮下組織の繊維が緩む前に、先手を打って再生させる。ピアノの弦を定期的に張り替えるようなものですね。

一方で、長い糸はたるみが起きてから物理的に引き上げるもの。後手に回ってるわけです。似た施術ですが、ロジックがまったく違う。

編集部
その中で、乾先生の施術だと「動く」と伺いましたが…。

乾先生
そうなんです。本来動かないショートスレッドで、僕がやると動いちゃう笑。

これは完全に僕のキャリアと経験による「相互作用」なんですよね。
施術のパフォーマンスは、「何を使うか」「誰がやるか」「誰にやるか」の3要素で決まる。

長い糸は誰がやってもある程度動きますが、ショートスレッドは原理的には動かない。
でも僕がやると変化が出る。中顔面を上げるとか、難しいことができちゃうんです。

編集部
それはまさに“匠の技”ですね。

乾先生
よく「料理の鉄人」って言われます。

僕にとっては、素材×調理道具×シェフの腕=最高の一皿、なんですよ。
たとえば同じ薬剤を使うにしても、どんなニードルを使うか、どんな圧で注入するか、それだけで効果が全然違う。

マッサージピールとベルベットスキンとの違いも、まさに「伝達手段」の差です。
皮膚に薬剤を“届ける”という意味では、ダイレクトに手渡しするのが一番効率的。
それをどうやって成立させるかの設計が、僕の仕事です。
最近では、より本格的に、「医療の鉄人」という商標も申請して、新規プロジェクトを開始し始めました。

編集部
職人的というか技術者のような視点なんですね…!

ちなみに施術を受けるにあたって、ダウンタイムや副作用についてはいかがでしょうか?

乾先生
ゼロとは言えませんが、かなり少ないと思います。

実際、結婚式3日前にやった方もいますしね。

ただ、リスクは事前にきちんと伝えます。
リスクをゼロにできない以上、そこは患者さんに判断してもらう必要があります。

編集部
そこは患者さんに主体性を持って頂くと。

乾先生
覚えていてくれてありがとうございます笑。

補足するなら、「リスクコントロールの意識」も持っていただきたいですね。

例えばスレッドリフトなら、「短い糸で効果が出なければ長い糸を検討してください」と説明しています。
長い糸がダメとは言いません。リスクを理解して納得して選ぶなら、それでいいと思っています。

脂肪溶解注射と脂肪吸引も似たような関係ですね。
どちらも脂肪を減らす施術ですが、脂肪吸引は死亡事故も報告されていることから明らかにリスクが大きいです。
脂肪溶解注射で希望が叶うなら、わざわざ脂肪吸引を選ぶ必要はないですよね。

自己責任でリスクを織り込んだ上で選択するのは正しい。
その上で、できる限り自分の身を守れるような施術の順番と言いますか、そういう視点も持っていただければと。

編集部
なるほど、リスクコントロール。
確かに自分の身体のことですもんね。
本当に患者さんの立場を考えていらっしゃるんだなと感じます。


乾先生のメッセージ、医師と患者の責務


編集部
それではインタビューも残り僅かとなりましたが、印象的な患者さんとのエピソードなどはありますか?

乾先生
「あなたに提供する施術はありません」とお伝えしたことがあります。
末期の大腸がんの方で、「最期はきれいに死にたい」とうちに来られた。

でも、僕は「今、美容にお金をかけてる場合じゃない」と。Amazonで本2冊買って考えてみて、と伝えました。

これは自社製品を売ることが目的ではなく、患者さんの人生を考えて動くのが医療者の責務だという話なんです。
医者なら当たり前なんです。
目先の売上よりも大切なものがありますから。

編集部
ありがとうございます、ドラマみたいなエピソードですね…。
「目先の利益よりも患者さんの人生を考える」
もし僕が患者さんだったとして、そういうお医者さんになら安心して相談できると思います。
忘れられないお話になりました。

では最後に、ショートスレッドをはじめ美容施術を検討している方へメッセージをお願いします。

乾先生
『賢い患者さん』になってください。
僕はそれだけを願っています。

美容に限らず、すべての医療行為にはリスクがつきものです。
その中で「なぜこれを選ぶのか?」という思考の整理ができていれば、きっと自分に合った施術が選べるはず。

うちはそのベンチマークになる場所でありたいと思っています。
銀座アイグラッドクリニック
コンセプトは「自然美の追求」。幹細胞や培養上清液など細胞を活性化させる技術を積極的に施術に取り入れ、身体への負担を抑えながらも上質な治療を提供しています。
診療時間 11:00~20:00
休診日 日・月
乾 雅人医師