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スルリム注射は、デオキシコール酸を主成分とする脂肪溶解注射の一種です。外科的な手術を行わずに、気になる部位の脂肪細胞の数を減らすことを目指す医療痩身として注目されています。
この施術は、通常のダイエットでは難しい部分痩せや、リバウンドのリスクを抑えたいと考える方に選ばれています。
施術では、まず治療部位をマーキングし、0.5〜1.0cm間隔で格子状に注射ポイントを設定します。1ポイントあたり0.1〜0.2mlを皮下脂肪層に注入し、顔全体では通常2〜5ml程度を使用します。注射針は30〜32ゲージの細い針を用い、深さは皮下5〜10mmの脂肪層を狙います。
スルリム注射の最大のメリットは、脂肪細胞の数そのものを物理的に減らせる点です。一般的なダイエットや運動は、脂肪細胞の中に蓄積された脂質を燃焼させ、細胞のサイズを一時的に縮小させるアプローチです。そのため、細胞の数は変わらず、食事量が増えると細胞が再び肥大化し、リバウンドにつながりやすいといえます。一方、スルリム注射は、薬剤によって脂肪細胞の膜を破壊し、細胞を体外へ排泄させるという不可逆的なプロセスを経ます。治療部位の脂肪細胞の数が減少することで、長期的に適正な体重管理ができていれば、施術後のラインが維持されやすくなり、リバウンドのリスク軽減につながることが期待できるでしょう。
外科的な脂肪吸引のように全身麻酔や切開を必要とする施術とは異なり、スルリム注射はピンポイントで気になる脂肪層にアプローチできる点が特徴です。薬剤を注入する量やポイントを細かく調整できるため、「フェイスラインをシャープにしたい」「頬の膨らみを少しだけ減らしたい」といった、ミリ単位の微調整が求められる部位への施術に適しています。顔全体のバランスや、体型の左右差を考慮しながらデザイン的なアプローチが可能であり、自然で調和の取れた仕上がりを追求できるのが魅力の一つといえるでしょう。
スルリム注射は切開を伴わない注射による施術であるため、外科手術である脂肪吸引と比較して、術後の身体的な負担やダウンタイムが軽度な傾向にあります。入院の必要がなく、施術当日に帰宅が可能なため、仕事帰りや休日に施術を受けやすく、翌日からデスクワークなどの軽作業にも復帰しやすいといえそうです。ダウンタイムを最小限に抑えたいと考える方にとって、選択しやすい施術につながるでしょう。
スルリム注射はメスを使わない施術ですが、薬剤が体内で作用する特性上、いくつかの副作用や、稀に起こり得るリスクが存在します。これらを理解し、適切な対策を行うことが重要です。
主成分であるデオキシコール酸が脂肪細胞を破壊する過程で、体は急性炎症反応を起こします。これは薬剤が作用している証拠でもあるでしょう。注入後24〜48時間で治療部位の腫れが最も強くなる傾向があり、注入箇所は硬さや熱感を伴うことがあります。また個人差はありますが、特に顔面では3〜5日間、腫れによって外出しにくいと感じる方もいます。腫れはその後徐々に引いていき、完全に落ち着くまでに1週間から2週間程度かかる場合があるでしょう。
スルリム注射は「注入量や深さの調整が非常に重要です。医師の技術や判断によっては、意図しない結果につながる可能性があります。皮下脂肪が薄い部位(例:こめかみ、目の下など)に過剰に注入されると、脂肪が減りすぎてしまい、その部分が凹んだ印象になったり、不自然な輪郭になったりする恐れがあります。また注入ポイントの選択や薬剤の拡散に偏りがあると、治療部位に左右非対称や段差が生じる可能性も否定できません。こうした凹みや非対称が生じた場合、自然回復は難しく、修正には脂肪注入やヒアルロン酸などの充填治療による修正が必要になる場合もあるでしょう。
顔面には、感覚を司る三叉神経や、表情筋を動かす顔面神経が複雑に走行しています。注射針がこれらの神経に接触した場合、一時的にしびれや感覚鈍麻が生じることがあります。特に下顎の縁(フェイスライン)付近には、口角の動きに関わる顔面神経の枝(下顎縁枝)が通っています。この部位を損傷すると、一時的な口角の下垂や笑顔の非対称といった顔面神経麻痺の症状が出現するリスクが考えられます。これらの症状の多くは数週間から数ヶ月で回復に向かいますが、重症例では永続的な後遺症となる可能性もゼロではないため、解剖学的知識に基づく慎重な施術が求められるでしょう。
極めて稀ですが、薬剤が血管内に誤って注入されることによる重篤なリスクも存在します。デオキシコール酸が血管内に誤注入されると、血管閉塞を引き起こし、血液が行き届かなくなった部位の皮膚が虚血性壊死に陥る危険性があります。特に顔面には重要な血管が豊富に分布しているため、誤注入のリスクを避けるための細心の注意が必要です。また、強い炎症反応の後、治癒の過程で炎症後色素沈着(PIH)として一時的に皮膚に色が残る可能性があります。これは体質や肌の色味によって長引く傾向があるといわれています。
スルリム注射では、多数の注射ポイントに針を刺すため、チクチクとした刺入痛は避けられません。また、デオキシコール酸の注入時には薬液による灼熱感や圧迫感を覚える方が多く、「注入中がつらい」と表現されることもあります。痛みの感じ方には個人差がありますが、注入時の不快感が施術中の主な負担になることが多いでしょう。
痛みを軽減するため、多くのクリニックでは表面麻酔クリームを施術30分前に塗布します。これにより刺入痛は軽減されますが、注入時の灼熱感までは完全には抑えられないといえるでしょう。さらに痛みに敏感な方には、局所麻酔注射を併用することもありますが、麻酔注射自体にも痛みを伴うため、全体の痛み軽減効果は限定的になる場合があります。
一部のクリニックでは、笑気ガス麻酔や静脈麻酔も提供されています。笑気ガスは鎮痛・鎮静効果があり、リラックスした状態で施術を受けられますが、完全に痛みがなくなるわけではありません。静脈麻酔を使用すればほぼ無痛で施術を受けられますが、一般的に追加で3〜5万円程度の費用がかかり、施術後は1〜2時間の安静が必要といえるでしょう。
施術後は、治療部位に強い筋肉痛様の痛みや鈍痛が2〜5日間続きます。特に注入後24〜48時間がピークで、顎を動かす動作(咀嚼、会話、あくびなど)で痛みが増強する傾向があります。この痛みに対しては、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)が処方されることが一般的です。痛みは1週間程度で自然に軽快しますが、強い痛みが続く場合や、発熱や激しい腫れを伴う場合は、速やかに医療機関を受診することが重要でしょう。
スルリム注射後の最も顕著な症状は腫れです。注入直後から腫れ始め、24〜72時間後にピークを迎える傾向があります。この時期は顔が一時的に大きく見えることがあり、マスクでも隠しきれない場合があるでしょう。腫れは5〜7日目にかけて徐々に引き始め、10〜14日でほぼ目立たなくなります。ただし、最終的な効果を確認するには3〜4週間かかる場合もあり、特に皮膚が薄い方や、注入量が多い方では腫れが長引く傾向があるでしょう。
注射針が毛細血管を傷つけることで、内出血(紫斑)が出現することがあります。内出血は黄色や緑色と色調変化しながら、7〜14日かけて吸収されていくのが一般的です。コンシーラーやファンデーションで隠せる程度のことが多いですが、広範囲に出た場合は目立つことがあります。
また、注入部位に硬いしこり(硬結)が触れることがあります。これは破壊された脂肪細胞の残骸が一時的に蓄積した状態で、リンパマッサージや温熱療法により徐々に吸収が促進されます。硬結は通常2〜4週間で自然消失しますが、稀に数ヶ月残存する場合もあるといわれています。
施術当日は、血流を促進し腫れや内出血を悪化させる原因となる激しい運動、飲酒、長時間の入浴は避けるべきです。シャワーは当日から可能ですが、治療部位を強くこすらないよう注意が必要です。
食事制限は特にありませんが、咀嚼時に痛みを考慮し、最初の2〜3日は柔らかい食事を選ぶと良いでしょう。また、塩分の多い食事は浮腫を助長するため、控えめにすることが推奨されます。
メイクは翌日から可能ですが、注射痕が残っている場合は感染リスクを考慮し、傷口を避けるようにしてください。洗顔も翌日から可能ですが、治療部位を強くこすらず、泡で優しく洗う程度にとどめます。
デスクワークなどの軽作業は翌日から可能ですが、腫れが目立つため、マスク着用や在宅勤務が推奨されます。接客業や人前に出る仕事の場合は、腫れのピークを考慮し、5〜7日間程度の休暇を確保すると安心といえそうです。激しい運動やサウナは、腫れが引くまで(少なくとも1週間)は避けるべきでしょう。
スルリム注射の料金は、主に使用する薬剤量と治療範囲によって大きく変動します。一般的な相場は以下の通りです。
顔全体(両頬+フェイスライン+二重あご): 50,000円〜150,000円/回
部分的な治療(片側頬のみ、二重あごのみなど): 30,000円〜80,000円/回
多くの場合、理想的なボリュームダウンを目指すために2〜3回の施術が推奨されるため、トータルコストは100,000円〜400,000円が目安となるでしょう。クリニックによっては、複数回セット割引を提供しているところもあります。
基本料金には、診察料、薬剤費、施術料が含まれることが一般的です。ただし、施術の快適性や安全性を高めるためのオプションは追加費用となることがあります。
麻酔費用: 表面麻酔は基本料金に含まれることが多いですが、笑気ガス麻酔(+5,000〜10,000円)や静脈麻酔(+30,000〜50,000円)は別料金となることが一般的です。
術前検査: 血液検査やアレルギー検査が必要な場合は5,000〜10,000円程度かかります。
アフターケア: 術後の痛み止めや抗生剤は基本料金に含まれることが多いですが、代謝促進を目的とした美容点滴やリンパマッサージなどのオプションケアは別料金(1回5,000〜20,000円)となるでしょう。
スルリム注射は美容目的の施術であるため、健康保険の適用外(自由診療)です。全額自己負担となり、医療費控除の対象にもなりません。
クリニック間で料金に差が生じる主な理由は、使用する薬剤の種類、施術を行う医師の経験値、クリニックの立地、アフターケアの充実度などによります。価格だけでクリニックを選ぶのは避けるべきでしょう。極端に安価な場合は、使用薬剤の安全性や医師の経験、あるいはアフターフォローの体制が不十分である可能性も考慮する必要があるといえます。施術を受ける際は、料金だけでなく、クリニックの信頼性や施術実績を総合的に評価することが大切です。
BNLS neoは植物由来成分を主体とし、デオキシコール酸などが配合された脂肪溶解注射です。
効果の強さ: スルリム注射はデオキシコール酸の濃度が高いため、脂肪溶解効果が強力であり、一度で比較的大きな変化が期待できます一方、BNLS neoは効果が比較的マイルドで、1回の変化は穏やかです。そのため、BNLS neoは3回から5回程度の施術が必要になることが多いですが、スルリム注射は1回から3回で希望の結果が得られることが多いといえます。
ダウンタイム: BNLS neoは腫れや痛みが軽度で、2〜3日で日常生活に復帰できることが多い一方、スルリム注射は5〜7日間の腫れが目立ちやすいという違いがあります。そのため、ダウンタイムを最小限に抑えたい方にはBNLS neoが選ばれることが多いでしょう。
カベリンは、デオキシコール酸にリパーゼ(脂肪分解酵素)を加えて配合した製材です。
作用機序: カベリンはデオキシコール酸による細胞膜破壊に加え、酵素分解も同時に行う点が特徴です。理論上は高い効果が期待されていますが、臨床的な効果の差は限定的であり、スルリム注射との明確な差はないといえるでしょう。
痛みと腫れ: カベリンもデオキシコール酸を含むため、スルリム注射と同程度の腫れと痛みが生じ、ダウンタイムの期間もほぼ同等です。
脂肪吸引は、カニューレという細い管を用いて物理的に脂肪を吸引する外科手術です。
効果: 脂肪吸引は一度に大量の脂肪を除去できるため、劇的な変化を求める方に適しています。スルリム注射は効果がマイルドで、微調整や局所的なサイズダウン向きです。
ダウンタイムとリスク: 脂肪吸引は全身麻酔が必要で、術後に2〜4週間の圧迫固定と強い腫れ・内出血を伴い、外科的合併症のリスクがあります。スルリム注射は切開を伴わず、腫れも5〜7日間程度が目立つ程度で、リスクは大幅に低いです。
スルリム注射の施術における失敗例やトラブルとしては、以下のようなケースが挙げられます。
・予期せぬ神経損傷による口角下垂
注射針が顔面神経の枝(特に下顎縁枝)に接触することで、一時的に顔面神経麻痺の症状が出現する可能性があります。これにより、注入部位周辺のしびれや、笑顔を作る際の口角の下垂や左右非対称が生じることがあります。多くは数週間から数ヶ月で回復しますが、慎重な注入手技が求められるでしょう。
・薬剤の誤注入による皮膚の凹凸や不自然な輪郭
注入量や注入層の判断を誤った結果、脂肪が不均一に溶解したり、皮膚直下に過剰に作用したりすることがあります。これにより、治療部位に不自然な凹みや段差が生じ、滑らかな輪郭が得られないことがあります。特に皮下脂肪が薄い部位への注入は、慎重に行う必要があるといえます。
・期待したボリュームダウン効果が得られない
スルリム注射は脂肪吸引のような劇的な変化を一度で得る施術ではありません。脂肪量に対して注入量が不足していたり、薬剤が作用しにくい体質であったりする場合、複数回の施術を受けても期待したほどのサイズダウンに至らないことがあります。事前の適応判断と、複数回施術の計画が重要となるでしょう。
美容医療相談室では、スルリム注射など、脂肪吸引・医療痩身やその他の美容医療の名医紹介を行っています。ドクターのご経歴や学会発表だけでなく、実際に治療を受けた方の体験談、ドクターが評価・信頼するドクターなどの情報を集め、独自の基準をクリアした名医をご紹介していますので、お気軽にご相談くださいね。
美容医療相談室に届いたスルリム注射の美容医療&美容整形の口コミ・体験談です。
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